大隅ふるさと山風景 表紙TOPへ
 ふるさとの山に向ひて 言ふことなし        
ふるさとの山は ありがたきかな

         石川啄木「一握の砂」より
 
稲尾自然石展望台から眺望した稲尾岳
大隅半島の山々一覧 大隅南部照葉樹の山々 大隅半島高隈山系の山々 地域憩いの里山と丘
大隅半島の山・里山探訪一覧   
 大隅半島の山は肝付平野を境に高隈山系を中心とした大隅半島中央部の山々と南部には国見山系の甫与志岳、黒尊岳、国見山があり、さらに南へ照葉樹林帯の稲尾山系を中心とした尾根が続く。美しいかこう岩の渓谷や滝も多く、魅力いっぱいの大隅の山々を求めて登山者も多い。里山的な山や丘もたくさんあり、ハイキングや健康づくりなど地元の憩いの場となっていた。掲載は順不同(探訪登録順) <画面クリックで拡大表示>
八山岳 錦江町 鹿屋市 刀剣山 垂水市 神野中岳 鹿屋市
高隈山御岳 鹿屋市 稲尾岳 錦江町・肝付町 国見山 肝付町
権現山  肝付町 岳野山 志布志市有明町 たかくまふれあいの森 鹿屋市
陣岳国際の森 志布志市 叶(かのう)岳 肝付町内之浦 大隅の照葉樹林
悠久の森 曽於市財部 鳴之尾牧場 鹿屋市 高峠 垂水市
甫与志岳 肝付町 辻岳 南大隅町 木場岳 南大隅町
白鹿岳 曽於市 陣ヶ岡 曽於市 二股・金弦の森 肝付町
大篦柄岳(おおのがらだけ)  横岳(高隈山系) 垂水市 荒西山  錦江町・肝付町
     
 六郎館岳 錦江町・肝付町  岸良北岳(肝付町)  野首岳 南大隅町
     
 大尾(うお)岳 御在所岳(志布志市)    金弦の森(肝付町
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 地理院地図表示の標高400m以上の大隅の山々一覧
鹿児島県の主な山岳標高:(「地理院地図」に名称表記されている山岳)
山名 読み 標高m 関係市町村名   掲載サイト 
大箆柄岳 おおのがらだけ 1236 垂水市・鹿屋市   大篦柄岳(おおのがらだけ)  
御岳 おんたけ 1182 鹿屋市   高隈山御岳 
横岳  よこだけ  1094  垂水市    横岳(高隈山系) 
甫与志岳 ほよしだけ 967 肝付町   甫与志岳 
稲尾岳(枯木岳)  いなおだけ 959  錦江町・肝付町   稲尾岳 
大尾岳 うおだけ 941 錦江町・肝付町   大尾(うお)岳
稲尾岳  いなおだけ 930  錦江町・肝付町   稲尾岳
野首嶽 のくびだけ 897 南大隅町   野首岳 
木場岳 こばだけ 891 南大隅町   木場岳
国見山 くにみやま 887 肝付町   国見山
辻岳 つじだけ 773 南大隅町   辻岳 
六郎館岳 ろくろうかんだけ 754 錦江町・肝付町   六郎館岳
北岳 きただけ 747 肝付町   北岳
高峠 たかとうげ 722 垂水市   高峠
中岳 なかだけ 677 鹿屋市   神野中岳 
刀剣山(第二)  とうけんざん   660 垂水市   刀剣山
八山岳 はっさんだけ 659 錦江町・鹿屋市   八山岳 
白鹿岳 しらがだけ 604 曽於市   白鹿岳
御在所岳 ございしょだけ 531 志布志市   御在所岳
宮田山 みやだやま 520 志布志市    
剣ヶ尾 けんがお 499 錦江町    
陣ノ岡 じんのおか 482 鹿屋市   陣ノ岡 
登見ノ丘 どげんのおか 466 鹿屋市    
鬼ヶ宇都 おんがうと 455 錦江町    
笠祇岳 かさぎだけ 444 志布志市・串間市    
陣が岡 じんがおか 430 曽於市    
横尾岳 よこおだけ 426 鹿屋市    

※ データは地理院の鹿児島県の主な山岳標高を参考。このサイトの大隅の山とは大隅半島の鹿屋市、曽於市、垂水市、志布志市、肝付町、錦江町、南大隅町、大崎町、東串良町の4市5町にある地理院地図に表示されている山です。は、「山と渓谷社」発刊の「鹿児島県の山」に掲載されている山です。

 大隅南部の山々
大隅半島中央部を流れる肝付平野を境に南部の国見山系や稲生山系の山々は、緑濃い照葉樹林に覆われ、日本有数の照葉樹林帯となっている。これらの照葉樹林地帯の山々は、北東から南西の方向に約50kmの長さがあり、国見岳(886.5m)、黒尊岳(908、5m)、甫与志岳(967、9m)、ハ山岳(659,3m)、荒西岳(833,7m)、稲尾岳(930,0m)、枯木岳(959,0m)、木揚岳(890,8m)などが連なっている。これらの地域はかつては大隅の秘境といわれ、鬱蒼とした原生の常緑林によって覆われていたが原生林の伐採が進み、現在は、二次林が照葉樹林層の中心を形成している。世界的に貴重な照葉樹帯とされ、植物の種類は4000種類以上、動物・昆虫類の種類も多く垂直分布を形成する稲尾岳を中心に自然環境保全地域に指定されている。
 荒西山 錦江町・肝付町
荒西山は、大隅半島南東部の錦江町と肝付町の町境に接する山で、美しい照葉樹林と天狗岩からの展望が楽しめる。国道448号線、田代支所前を経由して、船間、岸良方向へ向かい、新田トンネル200m手前から右の分岐道にはいる。分岐路に入るとやがて左手に荒西山への道標が立ち、左の林道新田荒西線に入る。山頂近く天狗岩からの眺めが絶景だ。 
 
荒西山照葉樹林風景
 六郎館岳   錦江町・肝付町
 六郎館岳(ろくろうかんだけ)は、大隅半島南東部の錦江町と肝付町の町境にあり、林層は杉や檜の人工林と照葉樹の混合林で山頂近くはシイやカシ、タブ、ユスなどの照葉樹種が主をなしていた。山頂はいくつかのピークを超えた所に三等三角点があり、自然石展望所から東方に肝付町辺塚の海岸線や無限に広がる大平洋、北方に国見山系、南方に稲生山系など大隅半島南部の雄大な山々を遠望できた。山道では春を待つ樹木が新芽を出し、草花たちが開花を始め、春の準備をすっかり整えていた。
 
自然石展望所からの眺望
稲尾岳   錦江町田代
稲尾岳は、錦江町田代・南大隅町佐多・肝付町内之浦にまたがり、大隅半島南東部に位置する。地質は花崗岩からなり、植生はシイ、タブノキ、イス(ユス)、アカガシ等の照葉樹が中心である。植生が豊かであるだけにタヌキやキツネ、イノシシなどのたくさんの野生動物が見られ、野鳥類、昆虫類にとっても多彩な生息地となっている。かって、大隅半島の高隈山地、稲尾岳一体を含む肝属山地はわが国を代表する照葉樹林が広く分布していたが現在、固有の照葉樹林が失われつつあるという。稲尾岳・木場岳一帯の森林は、「「稲尾岳自然環境保全地域(1975年指定)」、国の「天然記念物(1967年指定)」、林野庁の「森林生態系保護地域」の指定を受け、貴重な森林の保護や再生を目指し、自然環境保全を学べる場になっている。

自然石展望台から眺望した稲尾岳
国見山 肝付町
大隅半島南端部に横たわる肝属山地は国見山地とも呼ばれ、北東から南西の方向に約50kmの長さがあり、国見山・黒尊岳・甫与志岳・八山岳・稲尾岳・木場岳等の山々が連なる。国見山(886.5m)は、黒尊岳(908.5m)・甫与志岳(966.9m)と同じ稜線にあり、肝属山地三岳の一つに数えられ、登山ルートが確立していて、三岳縦走(注)も行われる。視界の開けた東方向に目を向けると白砂青松の志布志湾、さらにはダグリ岬、沖に浮かぶビロウ島の美しい風景が飛び込んでくる。近くにはレーダー雨量観測所があり観測所地点からの展望はまさしく360度の大パノラマだ。南西方向には開聞岳がぽっかり浮かぶ。北方向には高隈山地を背景に肝属平野が広がる。背後には黒尊岳・甫与志岳と肝属山地の尾根が続く。

国見山系最高峰の甫与志岳。国見山頂から黒尊岳・甫与志岳・八山岳・稲尾岳・木場岳等の連山を望む。右端に開聞岳が映る。

山腹から眺めた国見山とレーダー雨量観測所
甫与志岳 肝付町
甫与志岳(967.9m)は大隅半島の南東部に位置し、国見山(886.5m)、黒尊岳(908.5m)と同じ稜線にあり,国見山系の最高峰である。一帯はアカガシ、スダジイ、ヒメシャラ、ヤブツバキ、アセビ等の常緑広葉樹林に覆われ、山頂部には直径15mほどの花崗岩の露岩があり、360度の大パノラマを眺望できる。山頂や山腹からの眺めは北方向に肝属平野、東方向には内之浦や岸良浜、西から南方向一帯にかけて八山岳・稲尾岳・木場岳等の山々を眺望できる。春はアケボノツツジやミツバツツジ、新緑、秋は紅葉と四季折々の山の風景を楽しむことができる。

甫与志岳山頂と山頂からの眺望風景
二股・金弦の森 肝付町
肝付町二股林道から金弦橋にかけての尾根づたいに照葉樹の巨木が残存する。照葉樹林帯の中には幹廻り5メートルのタブやスダジイ、オガタマ、イスノキなどの照葉樹巨木が林立する。樹林内の樹木や山野草には「大隅照葉樹原生林の会」のメンバーにより、名称表示のプレートが付けられ、自然観察学習にも活かされる工夫がなされている。尾根沿いの西側を流れる高山川源流の渓谷には一枚岩の花崗岩を流れ落ちる滝や渓流が存在し絶景だ。

二股・金弦の森 樹林内風景
権現山  肝付町
日南海岸国定公園の一部になっている権現山(320m)は、白砂青松の志布志湾を眺める絶景の地にある。権現山へのルートは肝属川河口の第二有明橋の波見交差点より山手に向かって進む。山頂付近には、かって樹齢1,000年もあると言われる五葉松の巨木があり、それが三十数年前の落雷で枯れてしまったという。そこで地元の有志が、五葉松の巨木跡地付近に、末代の子孫に残そうと当時の五葉松と同じ種類のヤクタネゴヨウを植えた。そのヤクタネゴヨウが今、元気に育っていた。五葉松再生の碑のある駐車場から山頂の展望所を目指して、シイやカシの茂る登山道を10分ほど進むと山頂へ辿り着く。突然目に飛び込んできたのは眼下の雄大な景色の柏原海岸と志布志湾風景だ。天気・視界も良好、志布志湾の全景が手に取るように見える。眼下の海上には巨大な国家石油備蓄のタンクと少し離れてビロウ島が浮かぶ。その奥の志布志港とダグリ岬もしっかり視界にはいる。視界を北方向にずらすと高隅連山を背景に、大隅の大地に広がる広大な肝属平野を悠々と流れる肝属川が目に入る。

権現山山頂から高隅山山系を望む。広大な平野を流れる肝付川手前の橋は第二有明橋
木場岳 南大隅町
大隅半島南部の南大隅町にある木場岳(891m)は照葉樹の森、稲尾岳とともに県の自然環境保全地域に指定され、アカガシ、イスノキ、タブノキを主体とした西日本最大規模の照葉樹林(常緑広葉樹)帯が形成されている。登山道や道標がよく整備され、大隅半島南部の山々の中でもよく知られている山のひとつだ。樹林内の登山道には距離の目安を示す番号の書かれた木柱が立ち、樹木には名札が付けられ、照葉樹林に親しみながら自然観察や登山が楽しめるコースとなっている。山頂の自然石展望台からの眺めは雄大で、稲尾岳周辺の山々や太平洋、天気がよければ遠くに佐多岬、種子島・屋久島が眺望できる。木場岳への道のりは錦江町田代の花瀬大橋を経由し、県道563号線沿いの錦江町と南大隅町との町境近くの標高600mの峠にある大鹿倉(おおかぐら)林道から入る。

山頂から稲尾岳方向を望む。
辻岳 南大隅町
辻岳は標高773m、地元や登山愛好家の人々に身近な登山コースとして人気がある山だ。辻岳登山へのコースは複数あるが今回は林道根占中央線の東口コースから入山した。山頂までは15分。カシやシイの茂る樹林帯を抜けるといきなり視界が開け、山頂部分にどっしりと腰を据えた辻岳シンボルの巨岩が目に飛び込む。辻観音といわれる馬頭観音像がまつってある巨岩の左横を抜けるとすぐ山頂だ。山頂はなだらかな草地で360度の大パノラマが開け、眼下に鹿児島湾を一望できる絶好の展望場所だ。鹿児島湾沖の雲海上に浮かぶ開聞岳が絶景だった辻岳近くには展望のよくきくパノラマパーク西原台もあり、登山後の休憩地や展望所として利用されている。

辻岳シンボルの巨岩
八山岳 錦江町
八山岳は標高659.3m、イヌマキ見学ルートで約130分。八山岳は登山道・道標が整備され、安心して目標ポイントまでたどり着ける。何より山頂からの大パノラマ展望は圧巻で、低山ながら巨木巡りをしながらのトレッキングコースとして大隅半島屈指のポイントだ。登山道のイヌマキとイスノキは県下最大級の巨木だ。山頂は30畳ほどの展望休憩所となっており、360度大パノラマが開ける。

山頂からの展望がよい。
神野中岳 鹿屋市 
三角錘の山容が美しい吾平富士「中岳」
鹿屋市神野地区にある中岳(677m)はその美しさから「吾平富士」とか「神野富士」とも呼ばれ、神野のシンボルとなっている。標高は700mに満たない低山だが、三角錘の山容が示す通り、山頂への登山道は全体的に急で険しい。山全体の名称は「中岳」だが「前岳(659m)」と「中岳(677m)」の二つのピークがある。最初到達する山が「前岳」で展望はよく、眼下北方向に神野、遠くに鹿屋市、肝付町の町並み遠望できる。中岳山頂へは一旦、前岳からロープを頼りに30mの難所の岩場を鞍部へ降り、急坂を30分ほど上り詰めると中岳山頂に到達する林層は低地でスギ・檜の人工林、混合林が占め、山腹は、スダジイ、マタバシイ、イス、カシ等の照葉樹林が主な林層をなす。樹林内樹木の中には苔むしたイスやスダジイ等の古木が多く見られ、老木や倒木が山の歴史を感じさせ

神野地区から眺望する「中岳」

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大隅半島高隈山系の山々
大隅半島中央部から北部にかけての高隈山系には1000mを越す峰が7座あり、ブナの南限ともなっており、大隅半島のシンボル的な山である。
たかくまふれあいの森 鹿屋市
「たかくまふれあいの森」は鹿屋市下高隅町の谷田バス停近くの林道から入り、1.4kmの地点にある。たかくまふれあいの森は、森林保護・教材用として大隅森林管理署が管理している「水源かん養保安林」である。低地ながら、南日本特有の照葉樹林をつくるアカガシ、シイノキ、タブノキ、イスノキなどの天然広葉樹が原生に近い形で残っており、学術的にも貴重な場所である。森の中のスダジイ(イタジイ)の巨木は、推定樹齢250年、樹高22m、幹周り609cmもあり、林野庁の「森の巨人たち100選」に選ばれている。森の近くには「神水の池」と呼ばれる一日当たりの湧水量が190万ℓの神秘的な池がある。「たかくまふれあいの森」は登山というよりは、森を散策しながら樹木名を覚え、水源林としての森の役目を楽しく学習するのに適した場所で、親子連れでも楽しめるおすすめポイントのひとつである。近くには谷田の滝の絶景地がある。

「森の巨人たち100選」スダジイの看板。たかくまふれあいの森」には、南日本特有の照葉樹林をつくるアカガシ、シイノキ、タブノキ、イスノキなどの天然広葉樹が原生に近い形で残る。
高隈山御岳 鹿屋市
高隈山は、鹿屋市と垂水市との境界付近に横たわり大隅半島中央部に位置する。最高峰の大篦柄岳や御岳などを含む標高1000メートルクラスの七つの山岳群を総称して高隈山と呼ぶ。高隈山は、最高峰の大篦柄岳(おおのがらだけ1237m)をはじめ、小篦柄岳(このがらだけ1149m)、御岳(おんたけ1182m)、妻岳(つまだけ1145m)、横岳(よこだけ1094m)、平岳(ひらだけ1102m)、白岳(しらたけ)といった海抜1000mクラスの七つの峰が連なり、かつては山伏の修験の地として賑わっていた山々である。学術的にも貴重な山で、日本におけるブナ林の南限地にもなっている。「森林生物遺伝資源保存林」に指定され、高隈山単独の森林生態系を形成している。高隈山を初め高峠大隅湖猿ヶ城渓谷一帯の景勝地は「高隈山県立自然公園」に指定されている。

御岳三角点。山頂から北方向の高隈山連山と桜島を望む
大篦柄岳(おおのがらだけ) 鹿屋市/垂水市
高隈山は、海抜1000mクラスの七つの峰が連なり、大篦柄岳(おおのがらだけ)(1236.4m)はその連峰の主峰だ。一帯は高隈山森林生物遺伝資源保存林、高隈山県立自然公園に指定され、日本におけるブナ林の南限地にもなっている。大篦柄岳山頂付近では点在ながら「スズ竹」を伴ったブナの巨木が見られ、かつての高隈照葉樹原生林の面影を偲ばせてくれる。大隅地方ではこの「スズ竹」を「ガラ」とよぶことが「オオノガラ」呼名の由来となっている。大箆柄岳へは、垂水市側の大野原林道を利用して登る垂桜コース、スマン峠コース高隈渓谷キャンプ場登山口コース等がある。

山頂風景

ブナの巨木
横岳(高隈山系) 
高隈山系横岳と万滝を巡る
横岳は高隈連山の一峰で標高1094m。横岳山頂へは国立大隅青少年自然の家のキャンプ場登山口から入山した。とんがり山をこえて林道出合へ。林道を横切り、ロープ付の急坂や尾根歩きのアップダウンを繰り返しながら31番縦走路出合へ。更に、稜線のガレ場と樹林内を進むと視界が開け、横岳山頂が見えてきた。樹林内には点在ながらモミノキとブナの大木を目にすることができた。山頂は大パノラマとなっていて高隈山系の山々を一目瞭然に見渡すことができた。山頂で昼食とコーヒータイム。帰路は林道から下降して万滝へ。この日は水量も多く、50mほどの高さから、巨大な岩盤上を勢いよく流れ落ちる迫力満点の滝に圧倒された。滝でマイナスイオンをたっぷり浴びて無事帰路へ。
刀剣山 垂水市

刀剣山は、垂水市猿ヶ城渓谷からの登山コースが整備され,秘境の大自然を巡る登山コースの人気スポットだ。花崗岩の白い岩肌の岩峰群がひときわ目につき、大自然の神秘的な景観を呈する。切り立った岩峰は、まるで中国の山水画を連想させる。南限とされる自然林のアカマツ、スダジイ等の照葉樹巨木、ドウダンやアケボノつつじ、ヤッコソウ等の希少植物が自生し、植生も豊かである。山全体は1峰から7峰の岩峰群から成り、最高峰は第二刀剣山と称せられる1峰で、685mある。第一刀剣山、第二刀剣山、それぞれの展望所からは桜島、高隈連山、錦江湾、対岸に薩摩半島、眼下に垂水市街地が見渡せ、展望がすばらしい。


花崗岩の奇峰・巨峰が連なる絶景の刀剣山

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地域のシンボル・憩いの場所として地域に親しまれている山里や丘
岳野山 志布志市有明町
志布志市有明町野井倉の市役所北側に標高274.3mの岳野山がある。山頂付近の笠祇(かさぎ)神社付近には、12体の干支の石像が鎮座し、石灯籠や開運蛙が設置されている。干支の石像は地域振興を目的に地元の有志により、1996年のネズミを皮切りに毎年一体すつ制作され、2007年のイノシシまで12年かけて完成し、力作揃いの干支の石像作品がそろっている。山腹や頂上からの眺めは絶景で360度の大パノラマを展望できる。眼下には菱田川をはさんで広大な野井倉の田園地帯が広がる。さらに遠方に目をやると志布志湾沖にビロウ島が浮かぶ。天気の良い日には霧島連山や開聞岳・桜島も眺望できる。

山頂には、1996年制作ののネズミを皮切りに2007年のイノシシまで12体の干支石像が順番に鎮座する。
陣岳国際の森 志布志市
ダグリ岬の背後にそびえる標高270mの陣岳は、眼下に白砂青松の志布志湾、更に志布志の町や大隅半島一帯を眺望できる景勝地である。山頂一帯は、国際交流で志布志を訪れた各国の人々の記念樹が植栽され「陣岳国際の森」と呼ばれている。展望所には高さ3.1m、直径2.6mの巨大な地球儀が置かれ、国際の森の雰囲気を醸しだしている。現地に設置してある陣岳の由来について書かれた案内看板には次のように記されている。「笠祗山系の南端に位置するこの岳は、日向路を越えて、南大隅の山河を一望におさめる景勝の地として昔から知られている。応永8年(1401)串間より侵攻した本田忠親の軍勢はこの丘に陣を敷き、志布志を侵さんとして戦端を開いた。時に志布志郷民は城主新納実久を助けて共に防ぎ戦い、宝満寺河畔に之を破った。以後郷民はこの戦勝を記念し、志布志郷攻防の要衝であるこの岳を陣岳と称し、今にその名を伝えている」。

陣岳交際の森」のシンボルになっている山頂付近の地球儀。遠方、志布志湾上に「枇榔島」が浮かぶ

叶(かのう)岳 肝付町内之浦
叶岳ふれあいの森は内之浦地区のほぼ中央にあり、すばらしい景色を眺望でき、海と空が解け合う美しい大パノラマである。555段ある階段を上ると標高187mの高台に展望所があり、内之浦の町を眼下に内之浦湾をはじめ津代半島、国見連山を一望できる。さらに上に登ると研修施設「木遊館」(管理棟・森の学舎)や八角屋根8棟のコテージがあって、ひとつひとつに「わくわく」「きらきら」など、かわいい名前がつけられている。

555段あるGOGOGO階段を登り、鐘のあるゲートをくぐるとそこには左右に山、正面に海の見える展望台がある。
悠久の森 曽於市財部
曽於市財部の「悠久の森」は緑豊かな森林の保全と育成、さらにこの森林を伐採せず未来永劫に渡って子孫に残そうという目的で名付けられた。悠久の森は照葉樹林と人工林からなり、広さは36.3haに及ぶ。春は新緑、秋は紅葉が美しく、四季折々の風景を森林浴をしながら楽しむことができる。渓流沿いには、約一万歩を歩く往復7kmの遊歩道があり、トレッキングやウォーキングには最適で、毎年ウォーキング大会も開催される。悠久の森は平成14年に「全国遊歩道百選の森」、平成16年に「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に認定される等、すばらしい自然、文化、歴史遺産の残る地である。

「悠久の森」は照葉樹林と人工林からなり、四季折々の景観を楽しむことができる。

鳴之尾牧場 鹿屋市
鳴之尾(めいのお)牧場は鹿屋市の高隈山麓西側の標高約500mにある市営の牧場である。総面積約71ヘクタールのなだらかな牧草地に乳牛のホルスタイン種120頭が放牧されている。アルプスを連想させる赤いとんがり屋根の建物は畜産農家の研修や語らいの場ととして作られた研修館だ。事前に申し込めばバーベキューが楽しめるレッドキャビンなどが利用できる。周囲には高隈山や白滝があり自然散策が楽しめる。また、同牧場からは鹿児島湾、開聞岳を見渡すことができ、牧場を囲む背後の奥深い高隈山系は、多くの高峰が連なっており、県立自然公園に指定されている。

標高500mにあるアルプスを連想させる雄大な風景の鳴之尾牧場

高峠 垂水市
高峠は標高722mの小高い丘で大隅半島のほぼ中央、垂水市の北東に位置する。一体は高峠つつじヶ丘公園となっており10万本以上のサタツツジが自生し、満開時は,峠をピンク一色に染める。高峠の山頂には展望所があり、南に高隈連山,北に桜島・霧島連山,西に錦江湾,東に志布志湾の大パノラマを楽しめる。

山頂は広場になっており、360度の大パノラマが楽しめる。遠方、桜島を望む。
白鹿岳 曽於市
白鹿岳(しらがだけ)は、鹿児島県曽於市の北西部に位置し、曽於市内で一番高い山である。標高603.9mの白鹿岳は、山頂一帯が白鹿岳森林公園として整備され、野鳥観察や星座観察、植物観察等を楽しむことができる。天気のよい日には展望所から韓国岳、高千穂峰、桜島、陣ヶ丘、高隈山等の山々や都城の市街地、遠くには志布志港、鹿児島湾(錦江湾)と360度の大パノラマを展望できる。市街地から離れ、空気の澄んだ白鹿岳は、星の観察にも最適で、公園の一角には天体観測デッキと四季星座板が設置されている。有名な百武彗星もここで発見された。展望所近くの森林内には野鳥観察小屋があり、森林浴をしながら探鳥や森林散策を楽しむことができる。雨水や太陽光を利用したエコトイレもうれしい。白鹿岳は山頂まで林道が整備され、登山というより公園としての機能を備えた場所だ。

曽於市で一番高い山「白鹿岳」(603.9m)
陣ヶ岡 曽於市
陣ヶ岡(430.0m)は曽於市の西端に位置し、山頂からは高千穂連峰・韓国岳・桜島・高隈山系・国見山系の山々、更には錦江湾・志布志湾・都城盆地等、360度の大パノラマが展望できる。特に、ここから眺める桜島や高隈山系の風景は絶景だ。山頂付近には駐車場、トイレ、遊具施設等があり、公園として整備されている。遊歩道も整備され、つつじ、桜、アジサイなど四季を通して訪れる人の目を楽しませてくれる。

陣ガ岡(430m)。山頂の陣ヶ岡三角点と展望所風景

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最終更新日 2105/11/01   サイド計   top累計