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肝属山地・国見山肝付町

大隅半島南端部に横たわる肝属山地は国見山地とも呼ばれ、北東から南西の方向に約50kmの長さがあり、国見山・黒尊岳・甫与志岳・八山岳・稲尾岳・木場岳等の山々が連なる。国見山は(886.5m)は、黒尊岳(908.5m)・甫与志岳(967.9m)と同じ稜線にあり、別名「国見権現」の名で親しまれ、三岳縦走(注)も行われている。国見山へのルートは黒尊岳分岐点のある国見平駐車場から国土交通省のレーダー雨量観測所へ続くゲートをくぐり、30分程歩くと国見山登山道入り口のポイントに辿り着く。シイ、カシ、ユズリハなどの茂る照葉樹林帯を10分程歩くとせまい広場に三角点がある。山頂からの展望は東側の内之浦、志布志湾方面に限られるが視界の開けた東方向に目を向けると白砂青松の志布志湾、さらにはダグリ岬、沖に浮かぶビロウ島の美しい風景が飛び込んでくる。三角点の少し奥には鳥居と祠があり、苔むした石標には文化14年の文字が記されていた。国見山登山道入り口から歩いて15分程の尾根頂上(888m)には国土交通省が管理する国見山レーダ雨量観測所があり、ここからの展望はまさしく360度の大パノラマだ。
探訪登山日 2008・11・12  最終更新日 2009・5・24

山腹から眺めた国見山とレーダー雨量観測所

国見山頂をめざす。

国見山への登山ルートは、県道561号線の国見トンネルの高山側入り口近くの林道から入る。黒尊岳分岐点のある国見平駐車場まで約7km、まがりくねった林道を車で30分。黒尊岳分岐点のある国見平駐車場からゲートをくぐり、山腹から眺める風景を楽しみながら舗装された道を登山入り口まで30分程歩く。案内板のある登山道入り口から入山し、靴で落葉したばかりの落ち葉を踏みしめながら進む。これまでコンクリート舗装の道路が続いていたのでサクサクと落ち葉のクッションを踏みしめる音が心地よい。突然、山きじが飛び出し、バタバタと目の前を横切る。樹上では、ヒヨドリが甲高い鳴き声をあげ、あたりの静寂さを突き破る。途中、サルノコシカケやかっての原生林をしのばせる朽ち果てた巨木の倒木と出合う。


国見山への登山ルートは、県道561号線の国見トンネルの高山側入り口の林道から入る。黒尊岳分岐点のある国見平駐車場まで約7km、まがりくねった林道を車で30分走る。

国見平駐車場
分岐点のある駐車場からレーダー雨量観測所へ続くゲートをくぐり、国見山を目指す。山腹から眺める風景を楽しみながら30分程歩くと電柱にくくりつけられた国見山頂と国見権現への案内板がある。ここから国見山登山道へ入り、山頂まで10分。舗装道路を更にまっすぐ進むとレーダー雨量観測所へ辿り着く。観測所地点からの眺めは絶景だ

登山道に足を踏み入れると照葉樹が茂り、急に山らしくなる、サクサクと落ち葉を踏みしめる音が心地よい。

枯れた巨木や倒木ががかっての原生林を偲ばせる。

山頂から望む白砂青松の志布志湾の眺めは絶景だ。

山頂を示す三角点

山頂付近には鳥居と祠がある。

文化14年9月吉日の文字が記された石標
文化14年 = 1817年
(注)三岳縦走は肝属山地の「国見山」「黒尊岳」「浦与志岳」の三山を縦走し、各山頂の祠を参ることに由来する。三岳の神様に、大漁、豊作、家内安全、無病息災を祈願する山岳信仰の岳参り(タケメイ)は江戸時代から肝属地方に伝わり、昔は4月3日(シンガサニッ)が例祭日だったという。

山腹や頂上付近からの眺望風景 


山腹から内之浦湾・津代半島を望む。

山腹から開聞岳を望む。

山腹から開聞岳を望む。

国家石油備蓄基地とそこから延びる志布志湾海岸線を望む。

海岸線に延びる志布志港・ダグリ岬、更に志布志湾沖に浮かぶビロウ島を望む

国見山レーダー雨量観測所の頂上から肝属平野、高隈山地を望む。

背後の国見連山と開聞岳を望む。

国見山紅葉風景

国見山地は常緑照葉樹林帯で山全体の紅葉は見られないがハゼ・カエデ・ニレ・ヤマモミジ等の部分的紅葉が見られる。


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