音楽回想療法のすすめ 
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音楽回想療法とは<理論> 
 音楽療法は、音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを活用することで、精神状態を安定させ、生活の質を向上させることなどを目的にした心理療法である。五感を駆使し、なつかしいことばや音楽にふれると脳の記憶の扉が開き、血と神経の巡りが活性化し、その時代の自然や生活の風景が生き生きと蘇ってきて 気持ちが元気にな、り集中力のアップ、ストレス解消やリラクゼーションなどのさまざまな健康増進の効果が期待できる。対象者は、疾患を持った患者だけでなくふつうに暮らしている高齢者やその家族、デイケア、デイサービス利用者、高齢者施設入所者、さらには社会福祉施設、高齢者大学、教育、医療現場など、幅広い活用が考えられる
 音楽療法
音楽療法の定義について、松井紀和「1930〜心理学者」は、音楽療法の手引き」の中で、「音楽療法とは、音楽の持っている様々な心理的、生理的、社会的働きを利用して行われる治療、リハビリテーション活動、保健活動、教育的活動等を総括的に現した言葉であり、非常に幅広い内容を含んでいる」と述べている。日野原重明は、音楽療法入門「理論編」の中で、「音楽療法とは、音楽の持つ、生理的、心理的、社会的働きを、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上に向けて、意図的、計画的に活用して行われる治療技法である」と定義している。つまり、音や音楽の働きを利用して、さまざまな活動を行うことが音楽療法であるといえる。
 音楽回想療法とは
日野原重明は、音楽療法入門「理論編」の中で、「音楽は、いろいろなできごとと結びつきやすく、特に高齢者の記憶を再生し、回想する手段として用いられる。回想に使われる方法としては写真や絵、草花等も用いられるが、音楽の強い情緒性が、特に長期記憶と結びつきやすいために、優れた回想法になるものと考えられる。」と述べている。
アメリカの精神科医ロバート・パトラー博士(1927-2010)は、回想法という治療方式の元となったライフレビューを提唱した。彼は、 回想法とは「いきいきと暮らしていた時のことを思い出すことによって情緒を安定させる手法で、回想は時に、不安や徘徊などの状態の改善に役立ち、自信や自己肯定感を 回復させ、脳を活性化させる。老人たちが頻繁に過去を思い出すのは、自分自信の確かさを確認する積極的で自然な行為ではないか」と考えた。ライフ・レビューを利用することは、個人の療法のみならずグループや家族療法でも良い結果をもたらすと主張した。
古い記憶と結びつきやすい音楽の生理的な働きの性質を利用した音楽療法とパトラーの回想法の発想を組み合わせた音楽回想療法は、疾患を持った患者だけでなくふつうに暮らしている高齢者やその家族、デイケア、デイサービス利用者、高齢者施設入所者、さらには社会福祉施設、高齢者大学、教育、医療現場など、幅広い活用が考えられる。 
 
  音楽と記憶との結びつきを大切にした音楽回想療法の仕組み
 
 回想法により海馬に蓄積された記憶を引き出し、視覚野、言語野と多岐にわたる脳の部分を刺激することは脳の活性化とトレーニングにつながり、認知力の向上と改善に役立つ。
 
 昔、歌った曲を思い出して、皆で歌うことで幸せな気分や元気な気分になる脳内物質が分泌される。歌(メロディー)は右脳が使われ、歌詞を読みには左脳が使われ、歌詞の提示を工夫し、歌詞を意識して歌うことでより認知力の改善につながる。 メロディ・リズム・ハーモニーという音楽が持つ波動が、脳の活性化や集中力のアップ、ストレス解消やリラクゼーションなどのさまざまな効果が期待できる。
音楽回想療法のメニュー<実際>
 歌で元気活動「私の音楽回想療法試行」
 
音楽回想療法における音(sound)と音楽(music)を組み合わせた回想療法メニュー
 
当日の全体プログラムメニュー
 
童謡・唱歌メニュー。季節にあった歌、しみじみと歌いたい歌、活動時期にあった曲をあらかじめ選曲し、歌詞を準備しておく。
 
昭和の歌選曲は、
NHKが行った全国アンケート調査「昭和の歌謡曲ベスト200」が参考になった。
 歌で元気活動、音楽回想療法へのアプローチ<事例・実践>
なつかしい音楽を聴いたり歌ったりして、若い頃の記憶を回想し、五感を刺激して脳を活性化させ、気持ちを元気にする音楽回想療法は、 近年、福祉や医療の現場でも多く取り入れられている。メロディ・リズム・ハーモニーという音楽が持つ波動が、脳の活性化や集中力のアップ、ストレス解消やリラクゼーションなどのさまざまな効果をもたらし、 心の病気や高齢者のケア、引きこもり児童のケアなどにも活発に利用されている。以下、ささやかなボランティア音楽回想療法試行の活動を紹介。
デイケア・グループホームでの活動事例
 介護老人ホーム、通所介護施設(デイサービス)等を中心に定期的・随時に活動
 活動場所・形態:デイケア施設  グル−プ(20名70代以上が中心)   内容:歌って元気活動
期待される効果:懐かしい歌や音楽などから若いころの楽しい思い出を回想することによって、心が穏やかに安定し、癒される。音楽を楽しみながら脳を刺激し、活性化することにより、認知力の維持・向上に役立ち、想像力、創造性を豊かにする。
<事例の実際>
この施設でセッションする参加者は、60代以上の高齢者が中心だ。童謡、わらべうた、昭和の名歌など古い歌を中心に声に出して歌うことを基本にし、歌詞や絵をスクリーンに映し、画面に注目することで集中力と会場の一体感の効果が期待できる。童謡は季節にあった曲を中心に選曲し、メインは来所者・入所者が若い頃うたった昭和のナツメロだ。伴奏楽器のアコーディオンでイントロを弾き出すとお年寄りの表情ががらりと変わり、生き生きとした表情に一変し、自然に手拍子がわき起こり、音楽の力で音楽療法の効果を実感する瞬間でもある。
活動場面 
   
通所介護施設(デイサービス)
   
  デイケア・グループホームでの活動風景
公民館高齢者学級講座での活動事例
公民館活動の高齢者学級では、なつかしい言葉や音楽にふれ、若い頃の記憶を回想し、脳の活性化や集中力のアップ、ストレス解消やリラクゼーションなど健康増進を図ることを目的に、「歌う鹿児島弁講座」を実施。鹿児島に残る懐かしいわらべうたや薩摩兵児謡、唱歌・童謡、昭和の名歌を歌う。
 <事例の実際> 
かごしまわらべうたから「おじいさんエ おばあさんエ」から
「おじいさんエ おばあさんエ」は、鹿児島に残るおに遊びのわらべうたである。「あたいもかたっしゃい」(私もなかまに入れて)の最初のセリフで会場が一瞬にした和んだ雰囲気になる。わらべうたや方言には不思議に幼い頃の記憶を一瞬にして蘇らせる力を秘めている。アコーデイオン伴奏に合わせ、みんなで歌詞を口ずさみ、自然に手拍子も入り、会場全体が次第に楽しい歌声に包まれる。
 活動場面
   
 最新活動から 花岡地区高齢者学級「歌って元気活動」〜鹿児島の歌と昭和の名歌〜 活動時間2時間 参加者60名 2013/12/10
   
高隈地区高齢者大学6月講座  講話・実演〜アコーディオンでつづる童謡と昭和の名歌〜 2013/6/14(金)高齢者学級講座風景
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