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         開聞岳 鹿児島県指宿市   登山日 2016/3/3

三角錐の秀峰「開聞岳」
薩摩半島の南東部に位置する開聞岳(924m)は、山麓の北東部分が陸地に、南西部分が海に面し、三角錘の美しい形状から別名、薩摩富士と称せられる。登山道は、火山礫や岩のごろごろした一本道で高度を上げながら途中かららせん状に山を一周するユニークな登山道になっていた。整備された登山道は仙人洞や神社の史跡等もあり、開聞岳の歴史や樹木等の自然散策と登山にもってこいのルートだった。何よりも幸運だったのは天候に恵まれ、山頂から絶景の展望を楽しむことができた。
 登山日 2016年3月3日   天気: 晴れ   登山形態: 単独
 所要時間  登山ガイドでは歩行時間3時間50分となっているが植物観察・写真撮影・休憩時間を含め所要時間は往復5時間以上を要した。翌日は観光を兼ねて開聞岳山麓や長崎鼻、池田湖からの開聞岳眺望と探訪を楽しんだ。 
 山頂を目指す  開聞岳の樹木植生  開聞岳山容  追記・MAP

山頂を目指す(登山案内標識をもとに足跡を辿る)
かいもん山麓ふれあい公園近くの登山口から入山。山頂まで一本の整備された登山道で案内板もあり、迷うことはなかった。案内板は何合目と山頂までの距離が表示してあり、体力と時間配分の目安になった。登山のスタートは、公園管理所から登山道表示晩にそって10分程の登山口(二合目)へ。松林をぬけ、40分程登ると視界が開け休憩所のある5合目へ。登山道は整備されているものの、はじめは火山礫のざらざら道で4合目あたりから岩場が多くなり、7合目を過ぎるとゴロゴロと岩をまたいだり飛び越えたりして足を運んだ。9合目(あと0.4km)をすぎると一段と視界が開け、眼下に登山口付近が見え、らせん状に山を一周して登ってきたことを実感できた。急なはしごを登りきったあたりから樹木が低くなり、神社の鳥居を横にして登り切るとそこに頂上を示す二等三角点の石標が立っていた。ごつごつした山頂の岩場から眼下に大パノラマを展望できた。
念のため公園管理事務所で登山者記帳をし園内の案内板にそって進む。
 
開聞岳登山口(2合目 あと3.5km)   本格的な登山道がスタート

 3合目 あと2.9km 本格的な登りが始まる

 4合目 あと2.5km

 5合目 あと2.0km 救助第四ポイント  しばし休憩 展望を楽しむ
 
ここで初めて視界が開ける。長崎鼻、錦江湾、大隅半島の眺望

 ↑ 6合目 あと1.6km

6.1合目  救助第三ポイント
 
6合目7合目間の倒木をくぐりぬける

  ↑7合目 あと1.1km  <7合目から岩場が多くなる>
 
 標識をすぎると視界が開け、眼下に美しい東シナ海。天気がよければ種子島・屋久島が見えることもあるという。

仙人洞(案内板によるとこの洞窟は開聞岳が噴火したときにせり上がってできたもので山伏たちの修行の場として使われ「仙人洞」の名が付いたという

  ↑8合目 あと0.8km

  ↑9合目 あと0.4km <ここから急峻な岩場の連続>
 
9合目からの眺望 <薩摩半島西側>
 
 9合目付近からけわしい岩場や急坂の連続
   
山頂直下にある御嶽神社の鳥居を横にしてすぐ山頂
3角点(992m)と近くの岩場(994m)   

開聞岳山頂標柱
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 開門岳の植生・樹木散策(登山道脇の樹木)
 登山の楽しみの一つは歩きながら登山道の樹木や草花の植物観察だ。開聞岳で見られる樹木はスダジイをはじめ、タブノキ、アラカシ、イヌガシ、ウラジロカシ、イヌビワ、シロダモ、モッコク、ホルトノキ、タイミンタチバナ、ニワトコ、カラスザンショウ、ゴンズイ、サザンカ、サカキ、ミヤマシキミ、ヒサカキ、オガタマノキ、ネズミモチ等の照葉樹樹木である。 今の時期、花は少ないもののミヤマシキミやアオキが花芽を付け本格的春へ向け、開花の準備を始めていた。
 
ミヤマシキミ
 
アオキ
 
ゴンズイ
 
カクレミノ
 高さによる樹木林相
   
↑ 頂上平たん部や、頂上付近はユズリハ、イヌツゲハイノキ、ヒサカキなどの常緑広葉樹に覆われていた。雲ができやすく、高い湿度のためにそれらの枝や樹幹には苔類の着生植物が多く見られた。
   
  ↑500mより低くなるとスダジイやタブ、アラカシなどの歴然とした照葉樹の林相が見られるようになった。
   
 
 ↑300m以下になるとスダジイなどの照葉樹と黒松の混合林が見れらた。特に低地になるに従ってかなり年数のたった元気な黒松が見られ海岸近くにある開聞岳の林相の特徴をよく示していた。
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  色々な場所・角度から眺望する開聞岳山容
 
山麓畑地の「大根吊し」大根の隙間から眺望する開聞岳山容 2016年3月4日
 
開聞岳山麓指宿特産のソラマメ、畑からの眺め    2016年3月4日
 
池田湖フラワーガーデンからの眺望   2016年3月4日
 
  ↑長崎鼻からの眺望   2016年3月4日
 過去に撮った開聞岳眺望写真から
 
長崎鼻からの眺望:2008年1月4日、長崎鼻を探訪したとき撮った古い写真
 
 ↑菜の花と開聞岳(2008年1月4日)            →指宿探訪記へ
沿道には1月に満開になる菜の花が咲き乱れる。毎年1月第2日曜に菜の花マラソンが開催され、全国からランナーが集い、健脚を競う菜の花マラソンは指宿の新春の風物詩になっている。 
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 追記・MAP
 追記
 開聞岳について:開聞岳は山体の大部分をつくる円錐形の成層火山<コニーデ>と山頂部分をつくる溶岩円頂丘(ようがんえんちょうきゅう)<トロイデ>とからなる複式火山<トロコニーデ>である。
開聞岳標高について:かつては開聞岳の標高は、1895年(明治28年)に山頂に設置された二等三角点の標高から922.23mとされていた。しかし登山者などからの「そばの岩の上の方が標高が高い」という指摘により、2001年(平成13年)7月に国土地理院が調査を行って、公式の標高が924mに修正された<ウイキ>
 MAP


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