探訪紀行  世界文化遺産 日光の社寺     ふるさと情報室へ ふるさと探訪記へ

世界遺産「日光の社寺」は、日光山内にある東照宮、二荒山神社、輪王寺の二社一寺の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の「建造物群」と、これらの建造物群を取り巻く「遺跡(文化的景観)」が登録されている。日光山内(にっこうさんない)、二社一寺(にしゃいちじ)とも称される。
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 東照宮  輪王寺 二荒山神社    名木・巨木巡り 神橋・弥生祭り   後 書 き  

 東照宮
 東照宮は、初代将軍である徳川家康を御祭神として祀る神社で、現在の主要な社殿は、寛永13年(1636年)、三代将軍徳川家光公により造営が行われた。「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻、左甚五郎の作とされる「眠り猫」の彫刻、狩野探幽が想像で描いた象の彫刻」をはじめ、本殿・石の間・拝殿、陽明門など8棟が国宝に、34棟が重要文化財に指定されている。

東照宮表玄関石鳥居
 日光東照宮表玄関石鳥居  
 東照宮の表玄関。「石鳥居」は高さ9m、柱の太さ3.6mあり、花崗岩で造られた日本最大規模の石鳥居である。石鳥居は九州筑前の黒田長政が奉納したものとされる。
  五重塔 
 五重塔   
石鳥居を潜ると左手に五重塔が見えてきた。鳥居は神社の建築物で一方の五重塔は寺院の建築物だ。高さ36mの絢爛、華麗な五重の塔は吹き抜け内部中央に心柱(直径60cm)は、建物の横揺れを抑え倒壊から免れる耐震構造になっており、東京スカイツリーにも応用されているという。慶安3年(1650)小浜藩主酒井忠勝が寄進、後に消失し、文政元年(1818)に再建された。
 五重塔初層軒下の彫刻  
初層軒下の彫刻は東西南北を示す干支で正面は東にあたり、寅は家康、卯は秀忠、辰は家光と三人の干支が並んでいた。
  表門(仁王門) 
 表門の仁王像  
左右に仁王像が立つため仁王門とも呼ばれる。正面には猛々しい仁王像、背面には可愛らしい狛犬が安置されていた。神社である東照宮の表門を守るのは正面が仏教の仁王で、背面が神道の狛犬と神仏混淆の組み合わせとなっていた。
表門背面の狛犬   
背面の狛犬
    上神庫(かみじんこ)
 上神庫(かみじんこ)  
例祭等に使用する道具が収められている上神庫。下・中神庫を合わせた三神庫の一つが上神庫。
   
屋根の下に施されている狩野探幽作画の想像の像の彫刻。狩野探幽は象を見たことがなく、資料をもとに想像をしながら下絵を描いたといわれている。
  三援と神厩舎(しんきゅうしゃ)  
 日光東照宮の三猿   
「見ざる、言わざる、聞かざる」。三猿の彫刻八枚に綴られた彫刻の一つで左から右へ話が展開する。
神厩舎(しんきゅうしゃ)   
三猿の彫刻のある神厩舎(しんきゅうしゃ)は東照宮内境内唯一の素木造つくり。東照宮に仕える神馬の居場所にあるのが神厩舎で、猿は馬を病気から守るとされ、室町時代までは馬屋で猿を飼う習慣があったため、猿の彫刻が彫られたと言われている。
  御水屋(おみずや)
御水屋(おみずや)   
本殿参拝前に手と口を清める場所。 「柱」の素材は花崗岩で造営され、壮麗な建物なであり、御水舎に飾られた飛龍の彫刻は東照宮では最高傑作の作品とされる。
  南蛮鉄燈籠 
南蛮鉄燈籠    
伊達政宗がポルトガルから鉄を輸入して造らせためずらしい「南蛮鉄燈籠」
   輪蔵(りんぞう)
 輪蔵   
約6000巻もの経典を収めて修めている 輪蔵
   陽明門
陽明門   
 きらびやかに輝く彫刻が飾られた陽明門は、高さ11.1メートルの2層造りで、正面の長さが7メートル、奥行きが4.4メートルあり、30種近くの霊獣、故事逸話にちなんだものなど508体もの彫刻が飾られている。一日中見ていてもあきないことから「日暮らし門」の異名を持つ。真南を向いて建っている
   
東照宮だけでしか見られない貴重な霊獣龍馬(りゅうば)と目貫きの龍
   唐門
 唐門    
陽明門をくぐると正面に国宝の唐門がある。正月や大祭などの祭典のときと、国賓に担当する参拝者のみの使用が許される本社の表門。貝をすりつぶした胡粉という白い粉で全体が覆われていた。
 
門柱の寄木で作られた降り龍と昇り龍
  神輿舎(しんよしゃ)
 神輿舎   
 神春秋渡御祭で使われる三基の神輿が収蔵されている。中央が徳川家康、左が源頼朝、右に豊臣秀吉の神輿だ。
   本地堂(薬師堂)
 本地堂(薬師堂)
本地堂は天井に34枚ものヒノキ板に墨で描かれた巨大な龍の絵が描かれていた。龍の頭の下で拍子木を打つと、「キィーン」という甲高い音が反響し、まるで龍が泣いているように聞こえた。
  眠り猫奥宮
 眠り猫奥宮

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日光輪王寺(りんのうじ)
輪王寺(りんのうじ)は日光山中にある寺院群の総称で、堂塔は広範囲に散在する。輪王寺は奈良時代にさかのぼり八世紀末に勝道上人が開山し、日光山の中心寺院として発展してきた。平安時代に諸堂が建立され、坂上田村麻呂や弘法大師空海が来山したと伝えられる。江戸時代になり三代将軍家光公の霊廟である大猷院が境内に造営されて以来、ますます隆盛を極めた。明治時代、政府の神仏分離によって、無理やり現在の二社一寺に分けられた。大猷院霊廟本殿・相の間・拝殿が国宝に、その他の37棟が重要文化財に指定されている。
   香炉と三仏堂(さんぶつどう
  香炉と三仏堂  
日光山総本堂「三仏堂(さんぶつどう)」と香炉。仏堂は正面33m、側面25m,高さ26mに達し日光山でも最大級の天台密教形の大本堂である。お堂は改修工事中のため外部は素屋根で覆われていた。 
    日光相輪とう
  日光相輪とう  
輪王寺三仏堂の後方にある日光相輪とうは.、高さ13.2mの青銅製の供養塔で家光の発願によって建てられた。塔内には1000部の経典を収蔵されている。
   大護摩堂(だいごまどう
 大護摩堂(だいごまどう   
大護摩堂(だいごまどう).。ご本尊「五大明王」を中心にして「七福神」や「十二天」などの仏さまや祖師像がお祀りされている。本堂は「三仏堂」の裏手にある。
  輪王寺 「大猷院(たいゆういん)」 
   
輪王寺 「大猷院」は案内板のみ。輪王寺 「大猷院(たいゆういん)」は三代将軍家光の徳川三代将軍「家光公」の廟所(びょうしょ)。
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日光二荒山(ふたらさん)神社 
江戸時代に東照宮が造営されるまでは、日光信仰の中心寺で、元和5年(1619)に現在の場所に移された。主祭神が祀られる大黒殿は近年、縁結び・開運の神様として注目を集めている。ユネスコの世界遺産に「日光の社寺」のひとつとして登録されている。 二荒山神社の境内(御神域)は広大で、日光国立公園の中枢をなす日光連山をはじめとして、華厳の滝やいろは坂を含む3,400ヘクタールにおよぶ。
  楼門 
楼門    
参道参道入り口に立つ入母屋造りの楼門。昭和57年(1982)、男体山山頂に奥宮がまつられてから1200年を記念してつくられた。
   大鳥居
   
楼門から一度境内に入って、そのまま正面参道の大鳥居
  神楽殿 
神楽殿    
重層入母屋造の神楽殿。弥生祭(やよいさい)の御前神楽にあたる八乙女舞は拝殿で行われ、ここでは毎年4月2日に国家繁栄の神楽が奉納される。 建物は明治17(1884)年に建てられた素木(しらき)の単層入母屋造りで、屋根は銅板ぶき。建坪は7.9坪(26平方メートル)。
   本社拝殿
  拝殿・本殿  
本社・ 拝殿拝殿の背後に朱塗りの本殿が立つ。本殿は元和5年(1619),二代将軍秀忠が造営し、現存する日光最古の建物だ。
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車窓風景  神橋    弥生祭り
聖地日光の表玄関を飾る朱塗に映える美しい神橋(しんきょう)は、日光二荒山神社の建造物で橋の長さは28メートル、巾7.4メートル、高さ10.6メートルある。山間の峡谷に用いられた「はね橋」の形式としては我国唯一の古橋であり、日本三大奇橋(山口県錦帯橋、山梨県猿橋)の1つに数えられている。国重要文化財、世界遺産に登録。 
 神橋  
大谷(だいや)川に架かる神橋
  弥生祭り
  日光に春を告げる日光二荒山神社例祭である弥生祭は、古くは3月(弥生)に行われたことに由来する。4月16日と17日に花家台がにぎやかなお囃子とともに日光地域の市街地に繰り出し、街中は祭り一色に包まれる。今回、幸運にも車中からながら弥生祭りの華やかな「花家体」を目にすることができた。 
日光に春を告げる二荒山神社例祭の弥生祭り     
 

二荒山神社の例祭である弥生祭の華やかな花家体 
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日光社寺境内の名木・巨木巡り
  日光社寺の境内には東照宮の高野槇や二荒山神社の夫婦杉、親子杉、三本杉、縁結びの御神木など多くの名木・巨木が立ち並び、御神木として人々の信仰を集めている。
 高野槇
(こうやまき)
 
 
栃木名木百選の高野槇(こうやまき)。推定樹齢約370年、直径1.4m、高さ38m。弘法大師が手植えしたと伝わる。
 
高野槇は日光東照宮境内、3猿のある神厩舎の横に立つ。高野槇は日本固有の温暖性常緑針葉樹で、日光のような寒冷地で大木に成長することは極めて稀であり、植物学上貴重な存在だとされる。
夫婦杉   
一本の杉から二本の木が伸び、夫婦円満の御神木とされる。御祭神の御心徳のあらわれとされる杉。
 親子杉  
家庭円満の御神木「親子杉」
 三本杉  
三本杉。昔の三本杉は、右が1699年、中央が1747年に、左が1749年に倒れてしまい、現在の三本杉は二代目で樹齢300年ほどだという。
縁結びのご神木     
神門手前の「縁結びのご神木」。 スギにナラの木が宿り木となってくっつき、一本の木として立っていることから「すぎならいっしょに!好きならばいっしょになりましょう」から「縁結びの御神木」と名付けられた発想がおもしろい。いかめしい「神木」よりちょっと癒される「親木」だ。
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  後 書 き  覚え書き
  120分で巡る世界遺産日光の社寺「二社一寺拝観」
今回、世界遺産「日光の社寺」散策ツアーに参加した。本来なら半日または一日かけてじっくり散策して情報を収集したいところだが今回はツアーにつき、散策時間は二時間と大幅な時間の制約があった。しかし、三猿や国宝級の絢爛豪華な建造物や彫刻など二社一寺の一通りの見どころはしっかりチエックできた。散策の楽しみのひとつ、「名木・巨木巡り」では東照宮の高野槇や二荒山神社の夫婦杉、親子杉、縁結びの御神木など多くの名木・巨木と出会い、癒された。車窓ながら二荒山神社の例祭である弥生祭の華やかな花家体と出会えて幸運だった
ホームページで紹介した内容は2時間で拝観できる精一杯の内容で、総ての情報を得るには時間をたっぷりとり、拝観券の選び方などの事前情報等もチエックしておく必要がある。機を見てゆっくりと一日コースにチャレンジしたい。

探訪旅行日:2013年(平成25年) 4月16日 ページ公開日 2013/o4/28

コース:
世界遺産日光「二社一寺」拝観

中禅寺湖

華厳の滝


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