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  多彩な乗り物でアルプス超えをする紅葉のベストシーズン「立山黒部アルペンルート」体験記  
 
 室堂平 みくりが池       く2012/10/20>  
 美 女 平 車窓風景    車窓紅葉  室堂散策
 大 観 峰  黒 部 平  黒部湖・黒部ダム  後 書 き
立山黒部アルペンルートの旅  「立山駅→美女平→室堂平→大観峰→黒部平→黒部湖→黒部ダム→扇沢駅→宿泊(奥白温泉」 
 
多彩な乗り物でアルプス超えをする紅葉のベストシーズン「立山黒部アルペンルート」のツアーに参加した。立山駅からケーブルカーで一気に標高差約1000mのに美女平へ。美女平駅広場の一角には伝説の巨木杉がそびえ立ち、ブナ等の見事な紅葉風景が広がっていた。美女平から高原バスに乗り換え、雄大な景色と紅葉の車窓風景を楽しみながら室堂へ。室堂は標高2450mの立山黒部アルペンルート内の中心地で立山連峰の主峰、標高3003mの雄山や、3015mの大汝山が間近にせまっていた。鏡のように静かなみくりが池にはこれら周囲の山々を湖面に映し出していた。室堂からトンネルトロリーバスを使って大観峰へ。大観峰駅の屋上展望台から眺望する黒部湖や後立山の大パノラマは絶景だった。大観峰からロープウェイで7分ほどの黒部平へ。黒部平庭園からは目の前の雄大な峡谷と紅葉した山々を展望できた。黒部平からケーブルカーで黒部湖へ。黒部ダムの堰堤を歩きながら湖面に映る立山連峰の大パノラマ風景を楽しんだ。黒部ダムからトロリーバスで終点扇沢駅へ。宿泊先の奥白馬温泉で旅の余韻を楽しみながら疲れを癒した。2012/10/20
 
  立山駅→美女平  
  立山駅からケーブルカーで美女平(びじょだいら)へ7分。標高1000m近くの美女平は、ブナ林を始め樹齢300年の巨木の立山杉などの原生林が広がっていた。駅舎前広場の一角に立つ伝説を秘めた美女杉は美女平地名の由来にもなっていた。一帯は日本有数のバードウオッチングの森として知られ、遊歩道を歩けば樹林に響く野鳥のさえずりが楽しめるという。  
立山駅→美女平       
  立山黒部アルペンルートの玄関立山駅からケーブルカーで一気に標高977mの美女平へ  
 ケーブルカー
車窓風景


美女平展望所
眺望風景

     
  車窓からは材木石と呼ばれる柱状節理を持った奇岩が見られた。美女平屋上展望台から紅葉した木々や立山杉を見下ろす。  
 美女平の美女杉  
   
 美女平の地名 由来 美女平駅駅舎前の広場一角に立つ美女杉。 美女平の由来昔、立山は女人禁制の霊山であり、女性が登ることは固く禁じられていた。ところが、若狭小浜の止宇呂(とうろ)という尼僧が壮女と童女を従え、敢えて立山に登拝しようとしてこの地まで来たとき、掟を破ろうとして、山の神の怒りに触れ、壮女が杉の木に変えられ、美女杉と呼ばれるなったという伝説が、美女平の地名の由来とされる。(現地、美女平の由来説明板より  
   美女平室堂へ 車窓風景  
   美女平駅から弥陀ヶ原を経由して立山室堂駅までの標高差1473mの区間を立山高原バスで約50分。途中、車窓から称名滝や雄大な紅葉景色を楽しんだ。  
 滝見台と称名滝
     
   標高1280m付近の称名(しょうみょう)滝350 mという日本一の落差を誇る四段構成の滝で、国指定の名勝および天然記念物。日本の滝百選に選定。  
 七曲りの紅葉うみょう      
  標高1680m付近の七曲り一帯は特に紅葉風景が見事だった。一帯の登山道はカーブが多く、七回のカーブが連続していることから「七曲り」と呼ばれるという  
 弥陀ヶ原      
  標高1930mの室堂に近い高原に建つ弥陀ヶ原ホテル。標高1600mから2100m、東西9km、南北3kmに広がる溶岩台地の弥陀ヶ原高原一帯は自然が豊かで立山弥陀ヶ原・大日平が平成24年7月3日、ラムサール条約に登録されている。なだらかな溶岩台地に広がる弥陀ヶ原高原一帯の立山は、風情ある木道が延々と続き、 餓鬼の田と呼ばれる高層湿地特有の地塘(ちとう)が見られるという。  
 立山連峰とホテル立山    
  標高2450m。目の前に立山連峰の峰々とホテル立山の建物が目の前に  
  美女平から室堂への車窓紅葉ベストセレクション  
  七曲り一帯は樹種も多く、一段と美しい紅葉風景が広がっていた。 弥陀ヶ原附近はナナカマドの赤にダケカンバやミネカエデの黄が彩を添えて見事なコントラストを描いていた。  
車窓紅葉風景    
  赤く色付いたナナカマドなどの赤と黄のコントラストが鮮やかな七曲一帯の紅葉風景  
車窓紅葉風景   
ナナカマドが赤く映える七曲一帯の紅葉風景
 
車窓紅葉風景   
空と雲と山と紅葉の美しいグラデーション風景
 
 車窓紅葉風景  
ダケカンバやミネカエデの黄が映える弥陀ヶ原附近の紅葉
 
  室堂散策  
  室堂平は標高2450mの立山黒部アルペンルートの中間点にあった。バスが発着する室堂ターミナルは日本最高所の駅だ。駅前の広場に出ると目の前に立山三山をはじめ、3000m級の山々が間近に迫っていた。立山玉殿の湧水でのどを潤し、室堂一週の散策トレッキングにチャレンジ。みくりが池コースは石畳の遊歩道が整備され歩きやすいコースだったしばらく歩くと室堂散策のハイライト「みくりが池」が目の前に。対岸の湖面には雄大な立山連山が映り、立山連山の山々と湖面とのコントラストが絶景だった。散策コースにはみくりが池の他に、みどりが池、リンドウ池、血の池などの火口湖があり、池巡りをしながらいそぎ足で室堂平の散策を楽しんだ。立山連山の美しい景観もさることながらエンマ台から眺める地獄谷も迫力があり、圧倒された。  
 立山室堂高原標識
立山玉殿湧水の標石
     
  立山室堂高原と立山玉殿湧水の標識。 立山玉殿の湧水は立山連峰の主峰「雄山」(標高3004m)の直下から湧出する地下水で昭和43年、立山トンネルの開通により、その一部が湧出したとされる。(全国名水百選)  
室堂から眺望する立山連峰  
目の前に迫りくる雄大な立山連峰。立山という名前の山はなく、「雄山」「大汝山」「富士の折立」を総称して「立山」と呼ぶ。
 
周囲の山並みを映すみくりが池     
  周囲の山並みを映し出すみくりが池:みくりが池は立山火山の水蒸気爆発によってできた火口湖でプランクトンやカワゲラの幼虫はいるが、魚はいない貧栄養型の湖沼であるという。  
みくりが池   
周囲631m、水深15.3mの火口湖のみくりが池。鏡のような湖面にまわりの山々の姿を映し出すみくりが池は室堂散策のハイライトだ。
 
 リンドウ池

血の池
 
りんどう池:水深1m近くの細長く小さな火口湖で、名の通り周囲にはリンドウの群落があり7月中旬から8月下旬頃には紫色の小さな可憐な花を咲かせるという。 

 血の池:一面の茶色と空の青さを写す血の池。湿地帯に小さな池が存在し、水の中に含まれる酸化鉄によって池(水たまり)が赤く見える。昔の人はこれを血に見立て、その名がついたという。
 
 立山連峰と血の池  
立山連峰と眼下に血の池を望む。
 
地獄谷   
エンマ台より地獄谷を望む今も水蒸気やガスが吹き出し不気味は地獄谷は迫力があった。2012年から立ち入り禁止になっていた。
 
雷鳥荘

みくりが池温泉
 
雷鳥荘周辺では天然記念物ライチョウが見られるという。

日本一高所にあるみくりが池温泉と立山連峰 
 
自然保護
環境保護看板
 
     
   室堂の雷鳥や植物等の自然保護・環境保護を訴える看板  
 
 
   室堂大観峰へ  
  標高2316mに位置する大観峰は、室堂からトンネルトロリーバスで16分。コンクリート造りの重厚な大観峰駅は断崖絶壁にせり出すようにして建っていた。54段のきつい階段を登って2333mの雲上の大観峰テラスへ。屋上展望台から一望する黒部湖や後立山連峰の大パノラマは絶景だった。背後には屏風のような険しい断崖が迫っていて、一帯の紅葉が鮮やかだった。   
後立山連峰   
駅の屋上展望台から一望する紅葉した黒部湖一帯や目の前にそびえ立つ後立山連峰の大パノラマは絶景だった。
 
紅葉した山々と後立山連峰   
眼下に見下ろす紅葉した山々と後立山連峰とのコントラストはアルペンルート屈指の美しさだ
 
後立山の紅葉  
大観峰一帯から後立山連峰の紅葉風景
 
 大観峰背後の断崖  
大観峰展望所背後には屏風のように険しい断崖が迫っていた。
 
    大観峰から黒部平へ  
   大観峰からロープウエイで標高1828mの黒部平へ。黒部平庭園に下りると正面に雄大な赤沢岳がそびえたっていた。近くには高山植物観察園があり、一帯の草木や背景の山々が鮮やかに紅葉していた。  
 ロープウェイと黒部平駅      
  大観峰から黒部平を7分で結ぶ動く展望台立山ロープウェイ。延長1.7km、標高差500mの立山ロープウェイは支柱のないワンスパン方式としては日本最長を誇るという。(ワンスパン方式とは途中に支柱がなく、一気に駅と駅をローブで繋ぐ方式)  
 ロープウェイ紅葉風景  
ロープウェイゴンドラから眺望する紅葉風景
 
黒部平標石   
標高1828mにある黒部平標石
 
赤沢岳   
黒部平庭園から正面に雄大な赤沢岳を眺望
 
黒部平高山植物観察園の紅葉   
紅葉した黒部平高山植物観察園入り口付近の紅葉と右後方にロープウェイ
 
    黒部平から黒部湖・黒部ダムへ  
  いよいよ立山黒部アルペンルートの最終地、標高1455mの黒部湖・黒部」ダムへ。日本でもここだけにしかない「前線地下式」のケーブルカーで5分程で黒部湖駅へ。黒部湖ダム堰堤を歩くとダム湖西方には立山連峰、東方に後立山連峰がそそり立ち、迫力ある北アルプスの大パノラマが広がっていた。黒部湖一帯の紅葉した雄大な自然と黒部ダムを後にして、トロリーバスの待つ黒部ダム駅へ向かった。  
全地下式ケーブルカー      
   日本でもここだけにしかない「全線地下式」のケーブルカーで黒部平から黒部湖へ。自然景観保護と豪雪による被害防止のため地下式が採用され、黒部ダムから黒部平までの標高差400mを下る。  
 黒部ダム堰堤      
  黒部ダムの堰堤を歩くと黒部ダム中心地点の標識があった。( ダムの高さ186m、ダムの長さ492m、標高1454m)  
ダム堰堤風景  
堰堤下流黒部ダム側
 
堰堤上流黒部湖側
 
黒部湖   
黒部湖は「くろよん」の愛称で知られる黒部川第四発電所により、御前沢をせきとめてできた人造湖だ。ダム湖西方には立山連峰、東方に後立山連峰がそそり立ち、迫力ある北アルプスの大パノラマが広がっていた
 
 黒部ダム    
   黒部ダムは高さ186m、堤長492mでアーチ式ダムでは日本一を誇り、世界でもトップクラスのダムとされる。513億円の巨費と7年の歳月をかけ、1000万人を超える人々が携わった世紀の大工事は映画化され、今も記憶に新しい。昭和38年の黒部ダム完成により、それまで足を踏み入れることのなかった秘境・黒部は立山黒部アルペンルートの観光地として結ばれ、多くの人々を魅了する観光地となった。今回、黒部ダムの名物、大迫力の観光放水を期待したが時期がずれて期待はずれだった。そのぶん、黒部湖・黒部ダム一帯の紅葉風景を堪能することができた。(観光放水は6月26日から10月15日)  
車黒部ダム駅

トロリーバス
 
黒部ダム駅切符売り場構内
 
関電トンネルトロリーバス
 
  黒部湖・黒部湖ダムを見学して関電トンネルトロリーバスで扇沢へ。 関電トンネルトロリーバスは黒部ダム駅(富山県立山町)と扇沢駅(長野県大町市)間の関電トンネルを介して結ぶ関西電力の無軌条電車(トロリーバス)およびその路線である。扇沢駅から一路宿泊先のホテルグリーンプラザ白馬へ。  
 
 
  後書き  
    かくして立山黒部アルペンルートの旅を修了。紅葉のベストシーズンに加え、天候にも恵まれ、最高の旅となった。室堂へ向かう高原バスから眺める紅葉風景は今も目の前にうかんでくる。旅のメイン「室堂」では、昼食もそこそこ、駆け足で整備された遊歩道の池コースを地獄谷、雷鳥山荘まで駆け足で巡った。室堂散策のハイライトは湖面に立山連山を映し出すみくりが池だった。急ぎ足ながら立山三山をはじめ3000m級の目の前に迫る山々の迫力ある風景を十分に堪能した。大観峰・黒部平から眺望する後立山連峰の山並みや渓谷一帯の紅葉は絶景だった。黒部湖一帯の紅葉した雄大な自然と黒部ダムを後にして、最終駅の扇沢駅へ向かった。宿泊先、ホテルグリーンプラザ白馬(奥白馬温泉)で疲れた体を癒し、翌日の上高地トレッキングに備えた。  
 ホテルグリーンプラザ白馬(奥白馬温泉)      
   ホテルグリーンプラザ白馬(奥白馬温泉)は長野県北安曇郡小谷村のリゾート地・白馬にあるホテルで雄大な北アルプスを背景に赤色の三角屋根が特徴だった。北欧のヒュをイメージしたエントランスは高さ40mの吹き抜けとなっており、開放感に満ちた雰囲気だった。  
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