種子島の民謡   

(鹿児島の方言)

種子島の代表的な民謡

草切り節

 
1,行こや行こや 草きり 行こや   紋八(まんぱ)畑の 右 左
2,様はあの峯 おらこの峯よ 招きあわせて 草を切る
3,ケッショ(女名)よ何ば切った 俺(おら)いま九把よ 君(わあ)も九把かよ 俺も九把 
・・・
草刈りの事を草切りという。島民に最も愛誦されており、歌詞も多い。

樟脳節

 
1,樟脳じゃ 樟脳じゃと げしのはぎやるな わたしや 殿様のげちで焚く
2,樟脳 焚かねば 租税がたたぬ 明日は処分じゃと ふで廻る。
3,楠がたゆれば 樟脳焚きややまる あとのひよこ木は 早ようふとれ 
4,甚平早よう行け 樟脳小屋むゆる 甚平近眼で 眼が見えぬ

種子屋久節

 
1、種子と屋久とが地つるぎなれば もようて酒もりょうして、みたかよ
2,島間崎から屋久島見れば 屋久の嫁嬢が手で まねくよ
3,島間出る時 涙が出たが岬廻れば 唄でやる
4,島間外浦二瀬がござる 思い切る瀬が切らぬ瀬か
5,屋久の御岳のシャクナゲぼたん 年中つぼんで一度咲くよう

増田周ケサ
嬢節

 
1,増田周ケサ嬢は本願寺の鐘よナイ 響き渡らぬ村はナイ アチヤーヨーユータナイ
2,増田前の浦石の高い所ナイ 日にち毎日村ぎんみナイ アチヤーヨーユータナイ
3,増田周ケサ嬢は コッキンカンにや好かぬナイ 唄とひょうたん三昧得た女(おなご)ない 
     アチヤーヨーユータナイ
4,増田周ケサ嬢が切った 草見やれナイ 廻りや三尺七束ナイ アチヤーヨーユータナイ
5,それを引く牛増田にやおらぬナイ 野間の八ヶ町に請け出すナイ アチヤーヨーユータナイ

ようかい

 
1,ようかい ようかい ようかいよう この子がようとねたならば
2,息もほしと しようはものは お前が父様 どけ行った
3,あれは屋久島鎌売りに 鎌が売れぬか まだわせん
4,一年待ちてもまだわせん 二年待ちても まだわせん
5,三年三月に状が来て 状の上書読んで 聞かしよ
6,一でこばこよ 二で鏡 三でさつまの いたやこうて
7,板やぶぎょうして 門立てて 門のくりぐり 杉植えて
8,杉の葉ぶさに こうもりて こうの煙りは にしひがし
9、西や東に鳴く鳥は 雁かすいしようか おしの鳥か
10,行たて見たれば すいしようさま すいしようさまの おくどきに
11,母よ子とれよ 子は泣くど 地炉にも釜にも 火たかんば
12,地炉にも釜にもわしがたく ようかい ようかい ようかいよう 
取材録音協力者 峰山 祝文氏(島間出身)
        長田 実氏(平山出身)
   唄   長田 実氏 南種子町文化財保存会長
                昭和2年10月5日生 
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