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大野原(うのばい)いきいき祭り垂水市

冬の風物詩「ツラサゲイモ」で大野原地域興し
垂水市高峠の近くにある大野原地区で「大野原(うのばい)いきいき祭り」と名付けられた物産展が開かれた。開拓集落である大野原は過疎化が進み、大野原小・中学校が4年前に廃校になった。地域の活性化を目指した物産館は、廃校跡の体育館を中心に開催され、地元産のダイコンなど農産物が安く販売された。祭りのメインは大野原大地の寒風にさらされた伝統的な「つらさげいも」で、会場ではこのさつまいもを利用した「ダイガクイモ」「焼き芋」「がね」等に人気が集まった。会場屋外ではもちつきや野菜の収穫、丸太切り競争など体験コーナーもあり、地区内外のたくさんの人出でにぎわった。尚、同地区には、鹿児島大学の高隅演習林がある縁で、大学生たちも参加し、祭りを盛り上げた。近くには垂水千本イチョウ高峠などの名所がある。探訪日 2010・12・12
物産館風景 体験コーナー風景 「つらさげいも」と郷土料理 大野原の歴史

もちつき体験風景

物産館風景

会場入り口の受付風景とチラシ

物産館会場となった体育館
地元産のニンジン、ダイコン、野菜などの農産物や特産品がならび大勢の人出で賑わう物産館風景

森についての資料展示コーナー

伝統行事「棒踊り」を紹介するビデオコーナー
会場には正月用品、クリスマス用品も展示され、一足早い正月・クリスマスの雰囲気をかもしだしていた。
体験コーナー風景

もちつき体験コーナー

ノコを使った丸太切り体験コーナー

ニンジン収穫体験風景

さつまいも収穫体験風景
「つらさげいも」と郷土料理
「つらさげいも」とは、切らずにつるして少し乾燥させたサツマイモの地元での呼び方だ。垂水市の大野原集落では、庭先にサツマイモをつるす伝統的な「つらさげイモ」が行われている。地域で収穫した「コガネセンガン」や「紅はるか」のサツマイモを軒下に霜が降りる直前までつり下げ、寒風にさらすことで甘味が増すという。物産展のため、「つらさげ」の糖度を測ってみたところ、普通のイモの糖度は20から30度だったのに対し、「つらさげ」は、なんと36度もあったという。物産館では「つらさげいも」を材料にした焼き芋や大学芋、ガネが販売された。特に郷土料理の「ガネ」は行列ができるほどの人気ぶりだった。「ガネ」とはサツマイモを細かく切り、小麦粉と混ぜて油で揚げたてんぷら料理。揚げたての形が「蟹」に似ていることから「かに」が訛って地元方言で「ガネ」と呼ばれる。
大野原農家の軒先につるされた「つらさげイモ」風景、芋の糖度は何と36度とか。
つらさげイモ」を材料にした郷土料理「がね」づくり風景
ハイ出来上がり、色も味も最高! 1パック100円
大野原の歴史
標高約550mにある垂水市の大野原地区は、1914年(大正3年)の桜島大爆発で被害に遭った桜島や垂水市の水之上集落から移住してきた人たちが、開拓した地域である。1955年ごろには約500人いた人口も過疎と高齢化が進み、現在は約50世帯約120人前後に減少している。過疎高齢化の集落を活性化させようと伝統行事の「棒踊り」や今回の「大野原いきいき祭り」が開催された。

廃校になった大野小中学校敷地にある「開拓魂」の碑


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