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藺牟田(いむた)池薩摩川内市祁答院

ラムサール条約登録湿地
藺牟田池は、飯盛山の噴火による火口湖に土砂が流れ込んでできた天然のため池(カルデラ湖)である。池の水面標高295m、周囲約3.3km、最大水深約3.5mでほぼ円形の湖盆形態を示す。藺牟田池の名前は、鹿児島の方言で「むた(湿地)」からきている。西側の3分の1は、湿原化しており、多数の泥炭質の浮島が存在する。この浮島は、多くの植物が枯れて完全に腐らずに堆積したものが炭化したもので、「泥炭形成植物群落」として国の天然記念物に指定されている。藺牟田池には、国内希少野生動植物種に指定されているベッコウトンボが生息しており、重要な湿地として2005年11月に、ラムサール条約の登録湿地になっている。
2009年の夏には、異常な渇水状態が続き、ベッコウトンボの生息が心配された。生態系資料保存館(アクアイム)の話では、例年3月下旬から4月中旬には姿を現すが今年の初確認は、4月27日、昨年より3週間遅い確認となった。探訪時の4月29日には5匹が確認され、一応ホッと一息といったところか。
県立自然公園に指定されている藺牟田池を取り囲む周囲7kmの外輪山には、飯盛山をはじめ、標高500m前後の五つの山があり、季節ごとに変化する山陰が湖面に映え、美しい景観を呈する。
・1921 国の天然記念物指定「泥炭形成植物群落(浮島)」    ・1953 県立自然公園指定
・1994 ベッコウトンボ;国内希少野生動植物に指定、捕獲禁止  ・1996 ベッコウトンボ;「絶滅のおそれのある野生動物の種の保存に関する法律」に基づき生息地保護区に指定  ・2005 ラムサール条約湿地に登録
   UP 2010・5・6


ラムサール条約の登録湿地の藺牟田池

外輪山に囲まれた火口湖の藺牟田池湖面に映る飯盛山の山陰が美しい。

ボート発着場風景:渇水続きで水位が下がり、ボートは湖底につかえていたが、水量が回復しつつある。コブハクチョウも元気に泳いでいた2010/4/29

藺牟田池天然記念物「藺牟田池泥炭形成植物群落」石碑

藺牟田池西側の湿原地帯風景
ベッコウトンボ観察用歩道と生息地案内板


 2010・4・29写
藺牟田池にはベッコウトンボをはじめ、リュウキュウベニイトトンボ、ハッチョウトンボなどめずらしいトンボが生息する。池畔にはヨシマコモが茂り、水中にはジュンサイ(蓴菜)、ヒシなどの水草が多くみられる

ps1;藺牟田池と住吉池及びその周辺地域(蒲生の大クス,帖佐臥竜梅)が藺牟田池県立自然公園指定されている。
ps2;ラムサール条約
・正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
・広く生態系の保存のための重要な湿地を保全する国際条約
・藺牟田池はベッコウトンボの生息地として評価を受けた
ps3;ベッコウトンボ
・未熟な個体の体や羽の色がベッコウ色であることが特徴
・藺牟田池は国内で唯一、ベッコウトンボが生息地
・捕獲禁止


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