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山宮神社・安楽(やすら)神社春祭り志布志市志布志町

志布志市安楽の山宮神社と安楽(やすら)神社ではその年の豊作を祈願する伝統行事の春祭りが行われる。祭りは2月の第二土曜日に山宮神社で稲に似せた竹串を境内に植える「お田植え」行事や浜下り、正月踊りが行われる。翌日曜日は近くの安楽神社で「田打ち」「牛使い」「種蒔き」「田植え舞」「カギ引き」等の打植祭と正月踊りが行われる。山宮神社は男、安楽神社は女の神様が祭られ、祭りに伴う一連の行事は一体とされる。最後は「正月踊り」が境内いっぱいに繰り広げられ、祭りが締めくくられる。県の無形民俗文化財指定最終更新日17/2/12
田の神問答 打植祭 カギヒキ 正月踊り 春祭り特色 関連情報

田の神問答
田の神夫婦を迎えて、焼酎を振る舞いながらユーモラスな即興方言台詞で田の神様に豊作を祈願する。田の神夫婦は終始、顔を隠して無言。身振り手振りでメシゲで床をたたいて気持ちを表現する。
「コトシノ アキホハ ドッチナオ」(今年の米のとれる方向はどっちですか)と田の神夫婦にたずねると・・・

打植祭「田打ち」「牛使い」「種蒔き」「田植舞」
拝殿で祭典が終わると、境内を田に見立て、「田打ち」「牛使い」「種蒔き」「田植え舞」「カギ引き」等の打植祭が行われる。祭りには田の神様の夫婦が登場し、ユーモラスな仕種や掛け合いが境内の参拝客や見学客の笑いを誘い、終始和やかな雰囲気に包まれる
「田打ち」:木の鍬で境内に敷かれたむしろを田に見立てて田ならし、あぜぬりをする。途中、女装したアネボが登場。
田の神夫婦も登場。「田打ち」が終わると「牛使い」「種蒔き」と続く。
 
牛使い登場

牛使い」馬鍬(モガ)を引いて田ならしをする。

「種蒔き」:田ならしがすんだ田に神職が種籾をまく。

田打ちが終わると田ならし。「ビョービョー」とベブ(牛)を呼ぶと牛(人が扮し牛面をつける)が登場。馬鍬(モガ)をひいて田ならしをする。田の神さあが牛にちょっかいをだし、田の神さあと牛とのユーモラスな所作が会場の笑いを誘う。

打植祭「カギヒキ」 
カギヒキを始める前に神職が稲穂に見立てた笹竹を打ち振り、それをひっかけるようにカギヒキ参加の6人の若者たちが股木を打ち下ろして地面をたたく。この神事は「モグラ」を追い払う意味があるという。これがすむとカギを持った若者たちは上下に別れて雌カギ4本、雄カギ2本を引き合う。上が勝つと豊作、下が勝つと豊漁になると伝えれれる。カギヒキは大隅半島に見られる神事で、股木二本(男カギ、女カギ)を互いにひっかけて引き合う。農耕過程での田打ちや男女の交合を意味し、五穀豊穣、子孫繁栄の祈願祭事とされる

古歌を歌いながらささ竹と合わせて地を打つ

上下に別れてカギヒキスタート

豊漁・豊作を占うカギヒキ。上が勝つと豊作、下が勝つと豊漁になると伝えれれる
正月踊り  ・・・ more山宮神社正月踊り
山宮神社、安楽神社に奉納される正月踊りは、目だけを出した黒頭巾に白黒の装束を付け、舞われる。テベス(手拍子)ともいわれており、古くは南九州の近郷近在から踊りにきていたが、明治以降は安楽の青年によって引き継がれており、現在は保存会を中心に出端(では)・お市後家じょ(おいちごけじょ)、一つとの、帖佐節、安久節など九つの踊りが奉納される。

正月踊り風景

特色と春祭り風景
大隅半島の各地では新暦の2月から3月にかけて各地の神社を中心に、その年の豊作を祈願して春祭りが行われる。この春祭りでは打植祭り、正月祭り、カギヒキ、団子(だご)祭りなど名称は多様で、内容も変化に富む。山宮神社、安楽神社の春祭りでは「お田植え」行事、浜下り、打植祭、正月踊り、カギヒキ等が行われるが二社が合同で二日間にわたって繰り広げられる春祭りは民俗学的にもとくに注目される。

顔をかくし、境内の田んぼを見守る田の神夫婦

男性のシンボル「つつ竹」を背負う田の神
山宮神社は男、安楽神社は女の神様とされ、祭りに伴う一連の行事も子孫繁栄を祈願した祭りと思われる。


正月踊り(テベス踊り)

八月踊り
頭巾で顔をかくして踊る踊り、歌も曲も肝属川流域などの八月踊りと同系だ。


子どもがすくすく育つように田の神さまにだいてもらうほのぼのとした春祭り風景。
 

甘酒であたたかくおもてなし

梅も満開、春を告げる春祭り

甘酒や焼酎がふるまわれあたたかいおもてなし
梅が満開の時期に開かれ、季節感たっぷりの春祭り風景参拝客や見学者にあたたかい甘酒がふるまわれ、昔ながらの素朴な形が残る春祭りだ。

春祭り関連情報

山宮神社「お田植」行事 境内の稲穂に似せた竹串

浜下り御輿
山宮神社では稲に似せた竹串を境内に植える「お田植え」行事や浜下り、正月踊りが行われる。

カギヒキに使うカギ

稲穂に見立てたささ竹とカギ
田の神(男)必須道具の竹筒は男性のシンボルとされる。 木の枝葉で外側を覆った山車(だし)の中で三味線、太鼓のおはやしが景気をつける。

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