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南蛮船係留(なんばんせんけいりゅう)の大クス南大隅町根占

南蛮船係留の大クスは、雄川の河口から上流百約500m、塩入橋の北岸に立つ。このクスは、幹廻り9.8m、樹高17mの大楠で、地元では塩入橋の「千年大クス」とか「南蛮船係留の大クス」とも呼ばれる。この大クスは、南大隅町根占の歴史を長く見守ってきた老木で、南蛮貿易の遺跡として、町の指定文化財(天然記念物)となっている(昭和43年12月10日指定)。
今から500年前の雄川の河口は、現在よりも深い天然の良港であった。当時、根占町は建仁3年(1203年)から400年にわたって(のち島津氏の直轄地)、禰寝(ねしめ)氏が所領し、唐や南蛮、琉球との交易で栄えていた。大きな舟が入港する度に、異国船はこの大楠にとも綱を結び、荷を上げ下ろししたと伝えられている。そこからこの大クスは「南蛮船係留の大クス」ともよばれるようになった。

雄川の流れとともに長い間、静かに根占の歴史を見守ってきた塩入橋の大クス

雄川に架かる塩入橋近くの国道沿いに立つ幹回り9メートルの大クス

「南蛮船係留の大くす」町指定文化財(天然記念物) 昭和43年12月10日指定

塩入橋から望む幹の南側樹形、右側に樹勢を伸ばしている。

アスファルト道路に囲まれた悪環境ながら、元気に育っている塩入橋の大クス

ドラゴンボートフェスティバルスタート地点の塩入橋の大クス次へ

塩入橋の大クスとねじめドラゴンボートフェスティバル

450年の時空を超えて、塩入橋の大くすが祭りを見守る
秋の風物詩、南大隅町恒例の南大隅町ねじめドラゴンボートフェスティバルが塩入橋の大クスがある雄川の河口で開催された。今回で25回目の記念大会では、地元勢をはじめ遠くは香港や沖縄、千葉県から119のチームが参加し、熱戦を繰り広げた。
大会が開催された雄川河口は450年ほど前、南蛮貿易が盛んだった。この付近一帯には唐人屋敷もでき、港は繁栄していた。大きな舟が入港する度に、異国船は雄川河口たもとの塩入橋の大クスに、とも綱を結び、荷を上げ下ろししたと伝えられている。
港が繁栄するにつれ、やがて唐人と南蛮人の間に争いが起こり、当時の領主だった禰寝(ねしめ)氏は、唐人と南蛮人による勢力争いを鎮めるために南蛮船(龍船)競争を開催したという。この唐人と地元人の舟こぎ競争が、「ねじめドラゴンボートフェスティバル」の由来ともなっている。
2009年10月25日

ドラゴンボートフェスティバルスタート地点、塩入橋の南蛮船係留の大クス450年の時空を超えて、塩入橋の大クスが祭りを見守る

09’ねじめドラゴンボートフェスティバル風景

@塩入橋たもとの大クスの「ねじめドラゴンボートフェスタ」スタート地点。

Aドラの音を合図に一斉にスタート

Bゴール地点の根占大橋を目指し力強くパドルを操る。観客席からの声援も力になる。

Cゴールの根占大橋と声援風景


ルール;レースは8人のこぎ手とかじ、太鼓の10人一組で塩入橋から根占大橋までの約380mの距離を太鼓の音に合わせてパドルを操り、ゴールを目指す。

PS;
○2009年度優勝チーム 一般の部「関西龍舟(兵庫県)」 レディース「TEAM河童(大阪府)」

一般の部で優勝した「関西龍舟(兵庫県)」のクルー 優勝おめでとう!

南蛮貿易と辺田のはぜ群落

国道269号線沿い根占の辺田付近に県内でもっともはぜの多い群落がある。
このハゼは戦国期、祢寝(ねしめ)氏が当時根占港に出入りしていた中国船に依頼し、優良種を取り寄せ植栽させたものと伝えられている。当時、辺田の住民は年貢の代わりに米5升2合5勺につきハゼ実一俵(42斤)を納入することを許されていた。

辺田のはぜの群落


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探訪日 2008・10・27